JOURNAL

「riche」リッシュ 暮らしを彩る靴づくりへ

奈良県大和郡山市にあるオリエンタルシューズの生産工場。6 0 年以上絶えず靴を量産し続けてきた。
昔からの日本製靴のイメージというのは暮らしを守るアイテムで品質が良くて丈夫で安心。消費者もそれを求めた。

この工場も全ての工程で人の手が加わり、丁寧な靴づくりを行ってきた。それは今も変わらない。
現在の海外製の靴は品質、履き心地、ファッション性、機能、どれもある程度安定したものが出来る。そもそも消費者の方達は、日本製である事のメリットは「なんとなくしっかりしたもの」というイメージでそれほど重要な事ではなくなってきている。

製品を丁寧に作るということは日本人の生産者には染み付いていることで、日本製である本当に大切な意味を改めて考えた時、それは日本でしか生み出せない素材、加工技術、コンセプトを納得いくまで追求した製品をスピーディーに安定して供給できることではないかと。

アッパーで使用する日本産の革も、素材に合った鞣し方、染色を日本で細かく調整できる為、一から納得のいく革を作ることができる。アカシアの樹皮から抽出された成分で革へと鞣す植物鞣しは環境にも人にも優しく、経年で革の表情が変わっていく事を楽しめる。

ただ植物鞣しをした革で作った靴というだけでは日本製でなくてもよい。革は厚みのある日本の赤牛の革を使用して、裏材がなくても履ける靴をつくる。

革は基本的に副産物であるのだが、サスティナブル(持続可能)な消費構造を考えた時、日本の牛から生まれた革を使うことは最も地域環境を配慮した消費行動ではないかと。

そして環境に寄り添った1 0 0 % 植物鞣しを目指す。
長く使う人を想って肌触りの良い革を目指して極限まで柔らかく加工する事は、靴メーカーとタンナー、人と人との想いが生み出す仕事。そうして生まれた靴は、共感、感動を得ることが出来ると信じているし、そして暮らしを彩るツールへと変わる。

「暮らしを守る靴」から「暮らしを彩る靴」へ。ant-riche(アントリッシュ)は日本製である意味をこれからも追い求める。